学校2、良かったです。
北海道の全寮制養護学校の話です。
作品通して、全体的に『雪』がとても印象的でした。溶けかけたような水っぽい、ベチャッとした雪。大地を覆い尽くす絶対的な雪。不安な気持ちをありありと突きつけてくるような雪。
物語の表現に雪も一役かっていたように感じました。
あらすじとしては、休日にいなくなった、生徒二人を先生が探し、その間に生徒の思い出を語ってゆく、前作と近い構成でした。知らずしらず、生徒を思う先生の気持ちに感情移入してました。
先生役は西田敏行、いしだあゆみ、永瀬正敏。この3方で一クラスを担当しています。生徒役に吉岡秀隆、神戸浩ら数名。どうやら、実際の養護学校卒業生も出演されていたようです。
私は本作で、全寮制の養護学校の壮絶さを感じました。映画なのですが、山田洋次監督作品であれば、かなり実際に近い描写なのかなと思います。
叫びながら徘徊する生徒。気に食わないと手を出す生徒。潔癖症で何か触るたび手を洗う生徒。怒りながら排泄してしまう生徒。大概、皆マイペースです。ですが、そんな感じなのですが、皆いい奴なんです!
新米教員永瀬先生。そんな生徒たちとの意思疎通を、どのように行うか、悩みます。教えようとしているのに伝わらない、こんなに愛情を持って接しているのに答えてくれない。本当に大変だろうなと、見ている私も思いました。
ついに、感情爆発する永瀬先生!!
生徒に、どうしてわかってくれないんだ!!!と、掴みかかります。
そこで登場。
もしもピアノが弾けたなら西田先生!!
ゆっくりと永瀬先生を宥め、コピー用紙の山を頭上に投げ散らかす生徒に、もっとやれ、楽しいなぁと、近づきます。
西田先生曰く、「教師が教えてやっているわけでなく、子供からもらったものを返してやっているんだ。」とのこと。
これは、人間関係において全てに当てはまるんじゃないかなぁと思います。私も子供に叱るとき、感情的になってしまうことがあり。大きな声で怒鳴って、なんで話を聞いてくれないのか…。頭では怒鳴ってもしょうがないとわかっていても、出来ないことがあります。
そんな時に対する、自分の心の持ちようとしての最適解。こうゆうことなのかもなぁ。と、妙に身に沁みました。
他にも。あの子達にとって俺は何なのか。と悩む、永瀬先生に対し!いしだあゆみ先生は。
これから差別や偏見のある激しい社会の波に揉まれなくてはいけない学校の子達に、あの学校に行ってたんだ。あの学校の卒業生で誇らしいんだ。
という、思い出を作ってあげるのが学校の意味なのではないかと、いしだあゆみ先生も言ってましたね。
うーむ。とてもいい…。とても良いですね!!
思い出を胸に社会に出ていく。なるほど。誰かしらも言っていました。ベンチに日がな一日座っている老人は、思い出をずっと楽しんでいるんだ。と。
楽しい思い出は、人を助けてくれるのかもしれません。我が身を支え、明日へ進む杖に。どんな形にせよ。時間や場所を選ばず、最良の形で。
物語は卒業式で終わります。時間にして、2時間程のお付き合い。生徒全員の名前も覚えきらぬ間ですが。しかしながら、なぜだか分かりませんが泣けてきます。
途中の、作文もとても良かったな〜。感極まるところ、あげればきりなしです。
あと!
西田先生の進路に迷う娘さんがいるのですが、とても美人さんです!!大学行きたくないがために、音楽の道に進もうと思う。という、現代日和っぷり。その器量があれば、花の都東京で何かしらにはなれるでしょう!!と、思いきや、エンドロールを見てクリビツテンギョウ!!
若き日の、浜崎あゆみ!!でした!!
大成功してまっせ!!音楽方面で!!
あとあと!!
生徒の中に野球帽をかぶり、挨拶の際に帽子外す、礼儀正しい少年がいます。
先生宜しくお願いします。
という声。あれ…聞いたことあるなぁ…。背も大きいなぁ…。関西弁だなぁ…。
こちらもエンドロールにて。
あ!!最年少座長小籔千豊!!!
やっぱそうだ!!実は、野球帽の彼が映るシーンは特に凝視してみてました。薄々、小籔少年かなぁ…と見当はつけていましたが。若き日の座長、変わっていません!!
見どころは、たっぷりあると思います!!