わたし。みました。

最新作に疎い私が、一昔前の作品を見て、感じたままお伝えします。

嘆きのピエタ〜さて、ピエタとはなんぞ〜 *感想 ネタバレ*

嘆きのピエタ、ですが、まず。

 

ピエタとはなんぞ?

 

カエルのピョンタでもなく、スライムナイトの仲間になりたそうなピエールでもなく、熱冷ますためにデコに貼るヒエピタでもない。

 

 

はて。

 

しかし、今は現代!!調べました!!コンピューターを駆使しポチポチとボタンを押し、サーチ!!!&デストロイ(ピエタの意味を知らなかった己を)!!

 

ピエタとはイタリア語で、哀れみ、慈悲などの意味らしく。聖母子像の中でも、死んだキリストを十字架から降ろし、そのキリストを抱く母マリア(聖母マリア)を表す彫刻や絵の事をさす。

 

だそうです!!

 

フムフム、見終わったあと、意味を知れば、あ~ね!そうゆうことなら合点がいくぜ!!となりました。

 

 

この作品は、借金取りが自分を捨てた母と出会い変化していく話。そのエッセンスとして過激な取り立てシーンがあるのだ!!

 

と、思って見てました。

 

結論。

 

違った!!

 

 

まぁまぁ、ゆっくりと解説しましょう。かいつまんで。

 

まず主人公の取立屋ガンド。町工場専属で金貸しをしているようです。取立の際の工場の機械を駆使しての取立、鮮やかです!!工場経験者の人間か、取立何度も来てまっせ!の人しか、あんなにスイスイ機械を使えないと思います。

 

ここらへんの工場は網羅してるんだろうな感、濃いめです。

 

取り立て方も半端無いです。集金行って、金がなきゃ、体の一部を壊して、障害者になれ。死ぬと、手続き面倒だから。死ぬな。

 

???!

 

毎度この調子です。ハードが過ぎますね。なので、ガンドどんどん恨みを買っていきます。

 

そこへ、取立の帰り道、謎の女性登場。

 

この女性、母です。と、ガンドに告げます。ガンド、ポッカーん。なんじゃそりゃ?今更ナンスカ?三十年間一人でやって来たんすけど。

 

戸惑うガンド。最初は認めない。認めてほしけりゃ、これを食え。と、謎の肉?かなんかを差し出します。母さん、これを睨みながらパクリ食べます。

 

この食べた肉?結局何だったんだろう?足から血が出てる描写はあったので体の一部かと思いますが、謎です。私は初見、GOLDEN BALLか?!と思いましたが。ガンドは平然とした顔だったので違うかなぁ。GBならもっといたがるよなぁ。

 

で、まだまだ疑うガンド、母親の下腹部を触り、俺はココから来たんだよな、俺は戻りたい!と不穏な空気。

 

まさか…。

 

はい、戻りました。ガンド故郷に体の一部一時帰省です。母は勿論抵抗しておりました。

 

ここで母の見た目、皺が刻まれ始まる前日の真木洋子、といった風貌。ガンドは北関東山間部のGACKT。何処其処の出身でもガックン似ならば色男です。

 

で、段々と打ち解けるガックンと真木。真木は家での待機時間を使い、編物を始めます。誕生日プレゼントだと思い喜ぶガックン。その場ではその編物のセーターくれませんでしたが。

 

あぁ…人間の感情を取り戻したんだな!!

おめでとうガックン!今までの事は後悔して今後を幸せに!!

 

と、思いきや。真木の表情が所々暗くなります。

 

???

 

ピエタです。

 

ピエタなんですよ、嘆きの。

 

そうです、真木はガックンの母じゃあ無かったんですね。あんなに仲睦まじく暮らし始めていたのに…。

 

母は母でも、ガックンに取り立てられなくなった債務者の母だったんですね。

 

復讐劇ですよ!!長い時間をかけて親子の情を取り戻せた、と思いきやです。ガンドも、赤ちゃん返りしたかのようにお母さんお母さん言い出した矢先にです。いやぁ、怖いですね。幸せの絶頂の時に、味わう不幸はもうそれだけで再起不能になりますね。それを真木似母、狙っておりました。虎視眈々と…。

 

大事な者を目の前で死なせてやる。これが復讐のゴールです。色々と準備をし、最後までやり遂げます。母はガンドの目の前で、何者かに殺された風を装い自殺します。

 

参ったか!!ガンド!観念せい!!

 

と、母自身もなり切れない部分の描写が、私的には腑に落ちませんでした!!

 

死んだ母を埋めようとすると。そこに埋まってたのは、ガンドが貰えると思っていた誕生日プレゼントの編み物のセーターを着たランプの精ジーニーばりの青い肌を持つ死体が…。ガンドが取り立てて死なせた青年でした。

 

3人川の字で寝ます、ガンド、母、青肌青年。

 

このとき、青肌青年からガンドはセーターを奪い自分で着ています。

 

そして、気分を新たに母と青肌の2名を埋めます。

 

茫然自失のガンド、街をさまよいついに死に場所を定めます。

 

それは。以前、自分が取り立て、夫の腕を奪い、今は妻が働く夫婦のもとへ。

 

朝早く、商売に出掛ける妻。トラックで駄菓子を売り歩いているようです。

 

日も登りきらぬ、青白い世界。田舎道にトラックが浮かび上がります。ボンヤリと。そのトラックに乗り込む妻。トラックの下に人影…。

 

トラックは発進します。田舎道から大きな道へ、大きな道から高速へ。トラックの走った道の跡には太い線が描かれます。墨がきれない習字のように。その線はタイヤ痕ではなく、車体の真ん中から走ってきた道をずーっと示すかのように引かれています。

 

多分ガンドが引き摺られていて。その血の轍なのかなと思います…。

 

ショックな映像はそこまでありませんでしたが、ズゥンと来る映画でした。グロ(グロリアスじゃないよ!)に抵抗無ければ、問題なく楽しめるかなと思います!!

 

キム・ギドク監督、2020年に亡くなられてるのですね。もっと監督の作品を見たかったです。これから生前の作品を追っていこうと思います。