わたし。みました。

最新作に疎い私が、一昔前の作品を見て、感じたままお伝えします。

「アイヌモシリ」夏が来れば思い出す、遥かな阿寒…。入れ歯のスナップショットの生生しさ!!

アイヌモシリィィ!!

これは現代の日常なんですよね。阿寒湖の周り、いい時間が流れているように感じます。

 

阿寒湖に住む、アイヌの方たちの日常の記録ですね。土産屋を経営とか。学校に行く姿。町内会で話す、アイヌの儀式をやろうとか。

 

主語がアイヌということだけで、儀式の内容がイヨマンテ(子熊を小さい頃から育て、大きくなったら神の国に帰す(命を止める)。そして熊は神の国に帰りあちらの国は良かったよと神々に伝え、またアイヌの土地にそれを聞いた神が来て恵みをもたらすとされる。大体そんなイメージだと思います。)というだけで、寄合で喧嘩もするし、スナックで酔い潰れたりもします。

 

私自身も以前、国内をフラフラとしているとき、阿寒湖に滞在していた時期がありまして。とても、記憶に残る時間を過ごせたのを覚えております。

 

今回は、その思い出を思い出して思いを出したいと思います。

 

2010年の夏頃ですね。青春18切符を駆使し、ふらふらとクラゲのような、クラゲにしても生産性のない日々をふらついておりました。南は鹿児島、北は阿寒湖。楽しかったですな。

 

阿寒湖には路線バスで訪れましたね。着く前に摩周湖を見たりして。あの摩周の霧は恐ろしかった!午前なのに、明け方の様な薄暗さにガスに次ぐガス!ここは雲の中か!!と、思うほど。

 

 

布施明は正しかったのであります。ジャケの様な晴天ではないですよ。スティーブン・キングの「ザ・ミスト」の世界ですよ。

 

異次元の怪物はいませんでしたね。摩周湖ですから。ドライブインでオヤキのような食物は確認できました。老男女がワイワイとしていて、良い空気感でしたね。

 

その後に着いたのが阿寒湖。アイヌ文化がまだあるという情報も着いて知りました。へえー、そうなんだなー。位に。

 

米・無学なもので、すいません。ですが人の境目に関してはフラットですので。思った事を、書きますが、もし表現的にまずいとしても、それは私自身の他者に対しての接し方全般に関してマズイ事なので、善処していく所存です。カテゴライズされたことに差別とかはありませんので。悪しからず。

 

着いてすぐにどこ泊まろうかなと、普段は公園とか公共施設の開けた場所とかで野宿する、無宿主義でしたので。探してるうちに、アイヌコタン。

坂道に出来た店の連なりに着きまして。

 

おお、この空間色味が良い!!トーテムポールみたいなのもあるし!アイヌもやっぱりアメリカ先住民と感覚近そうだな。と感動しました。キレイなんすよねー。模様も色味も。

 

で、ふらふらしてるうちに、爺さんに声かけられて宿の話してライダーズハウスみたいな安宿に連れて行ってもらったんすよ。普通の一軒家。坂道の奥の裏に建っている。

 

で、その爺さんの名前が「トシちゃん」入れ歯で陽気で、勢いよくって、入れ歯で!このトシちゃん。めっちゃ面倒見が良くて、楽しくて、何かに付けて、「オラッ!」とか「コラッ!」とか言うのだけども、優しくて良い爺ちゃんでした。

 

飯とかも作ってくれたりして、一泊500円くらいだったかな、破格!!でも、畳もかなり草臥れている部屋!まさに、人ん家!うん、妥当!!

 

昼間は阿寒湖の周りフラフラしたり、銭湯行ったり、林の中歩いたり、あれぞ無為。あー、無為ってのはこう時間を湯水のように垂れ流すことなんだと、思うほどに無為!!何しても無為!

 

だけれども。その時間ホントに良かったなと思います。あれは貴重な事を体験出来たと。

 

あの頃の僕には不安なんてものは無かったのだよ、無為!あるのは無為!まりも見て無為!トシちゃんが昼寝してるところ、襖開けて顔に光当てたろと、バレて一喝されて、無為!トシちゃんの外した入れ歯の写真を撮って無為!トシちゃんに軽トラで連れ回されて、無為!

 

あんな時間はもう味わえないなぁ。

 

アイヌモシリ」の劇中に出てくる、デポさんも当時の店前で作業されていましたね。初見。大きな体、ほりの深いお顔。外国の人だ!と、思い旅の開放感からハローの一つでも披露しようかと伺っているうちに、「いらっしゃい」と声をかけてくださいました。大っきい体だな〜。と土産を買いましたね。

 

ムックリ(アイヌ民族口琴)

 

ムックリという口琴があるのですが、ビョインビョイン鳴る不思議な楽器。土産屋でかって。葉笛のように口にあて、付いた糸を引っ張ると、ビョインビョイン。なんだこりゃ?と最初は思ったなぁ。でも、暇で暇で、やることなく御口の友として鳴らしているうちに、不思議とこの響きが心地よくなって来る自分がいましたね。

 

CDまで買っちゃたりしてね。心地よさはあるものの曲の凹凸が分かりづらいという、玄人向け!!

 

私の他にもトシちゃんの家に滞在している方達もいました。愛知県から釧路の女性と逢引をするためだけに北海道に来た男性。東京にフィリピンじんの妻と子がいるという何かに追われているのかというような、無駄なテンション激高男性。このテンション高男はバイクで一人旅。妻も子供も関係なしという、なんだか私が苦手な精神構造。テン高男!バイクのオイルタンクが壊れたのでトシちゃんの家に置かせてくれないか?と聞いたところ、トシちゃん激昂。

 

駄目だ!自分で処理しろ!持って帰れ!

 

それを言われたテン高の、へへへそうですよね。といった時の暗い目。気持ち悪く感じたなぁ。

と、翌朝、案の定、テン高の置き手紙。

 

バイク絶対取りに来ます!

 

と、朝一のバスで阿寒湖を後にしました。二度と来ないだろうなぁ。アイツ。私、人を見る目なんてありませんが、たった2日で感じましたもんね。置き手紙をしていく前から。

 

コイツぁ〜不義不遜の輩だぞっ!!エライもんが世の中にやはりいる!と。多分、テン高は普段の生活じゃ人の目を気にして、世の中に紛れる程度の常識、コミュニケーションは持てているだろうな。けども、旅の恥はかき捨てヨロシク、思うこと全てを我が意の儘よ!と、こなしているんだろう。うん、苦手だな!

 

アイヌモシリ」の中で見た町の風景は私のイメージのアイヌコタンと変わらずで。アイヌの描く柄はどこか気持ちにマッチして。学校行くカントは中学生で、仲間とバンドもしてて。楽しいと感じることは同じだろうし。

 

生活は様式が違えど、大概近いものなのだろうなぁ。と、思う近頃です。

 

記憶はいーですね。持ち歩かないノートは検索もせず、すぐに探し当てられる。ビバ脳味噌!

 

あ!

 

 

OKI DUB AINU BAND

劇中で出てくる、アイヌバンド!メタ糞カッコいいです!!雰囲気も!ビジュアルも!音も!

 

このジャケもカッコイー!

 

阿寒湖、まりもばかりじゃないですよ。

行ってらっしゃいませ。