わたし。みました。

最新作に疎い私が、一昔前の作品を見て、感じたままお伝えします。

異端の鳥 〜少年が違う少年に出来上がる過程〜 *感想 ネタバレ*

異端の鳥、原題 「Painted bird」見ました。

 

 

 

戦中疎開、天涯孤独、流転、流転、また流転、再開。

 

まず、三時間弱のとても長い映画でした。最後まで観きれる自信はありませんでしたが、休憩をはさみつつ、飽きることなく見れました。戦争が絡んでくると眠くなってきてしまう性分でもあるのですが…。時代背景としての戦争なのかなとも思いました。

 

決して明るい作品ではありません。かといってズシンと心が重くなりもしませんでした。個人差はあるのかもしれませんが。

 

とにかく、主人公の少年が酷い目にあいます。映画ポスターの時点でとんでもないことになっています。少年が生首状態でカラスと見つめあっている、こんな構図のポスター見たことありませんでした。ここでもう衝撃でした。っで、またモノクロで作品の暗さが一発で理解できます。

 

いいですか。これは少年がこれでもかというくらい酷い目に遭う、そんな映画です。戦争ものだからと言って感動なんてありゃしないのよ!

 

森をかける少年、胸にイタチ?らしき動物を抱えています。疾走。横から何者かにアメフトの並みのパワータックル。倒れこんだ少年をボコボコに殴りつけます。殴られながら少年、横を見れば。イタチに油らしきものをかけて燃されてしまいます。横で殴られ続ける少年。もう前歯が半分無くなっています。疎開してきた少年へのイジメなのでしょう。燃すなよ!動物をよ!

 

冒頭でこれですよ。ハードすぎやしませんか?

 

で、ボロボロで家に帰ったら、住まわせてもらっているおばさんに一言いただきます。

 

「自業自得だよ」

 

ん?何がすか?ようは、外は危ないから出るなと言われているのに出たお前が悪い!ということ。歯が折れて、燃されたイタチ抱えてる少年にいう言葉じゃない、栄えある今年のNO.1だと思いますよ。そのセリフは!で、ある朝このおばさん、足湯しながら死んどります。気づいた少年顔を確認。ビビッてかざしたランタン落として、あわやおばさんと家、全焼&火葬完了。呆然。火の後始末の指導がいいのか、家が灰になるまで近くにいます。あまつさえ、野で寝てしまいます。少年。火の後始末の責任感強いから!

 

こんな感じで話は続いていきます。悪そうなやつはだいたい友達ってくらい、悪い人間のオンパレードです。たまに良い大人も出ますが…。たまにね。

 

この作品章立てになっていまして、一つ不幸があると暗転、次なる地へと少年が移動します。ストーリーテラーのサングラス、タモさん的かといえばそうではありません。体験していくのは少年なので。毎度毎度、少年は心に澱を貯めていきます。それが作中で発芽します。あぁ、でもそうだよな…と納得してしまいます。

 

各エピソード、画がめちゃくちゃ強いです!目くり抜き、大樹でお誘い、山羊と性交、ネズミの穴、なんといっても少年さらし首!!

 

これはどこかでほんとにあったことかもしれない、ということは頭に置いて、鑑賞すると、また違う感覚で見れるかもしれません。

 

是非、是非!お時間あれば!良品ですよ、これは。