ダウンタウンヒーローズ猟奇事件を解決していく少年たちの物語かと思っていましたが、お門違いでした!
60年代の松山が舞台です。ばんから風の高校生が青春している様を描いています。
とくれば、監督 山田洋次 ですね。
全寮制の松山高校の生徒がまだまだ自由であった頃の教育を受け、成長しながら。遊郭の女性を助けたり、演劇したり、街のチンピラと喧嘩したりとハイスピードで駆け抜けていきます。
見どころは…劇中劇の渥美清。に尽きてしまいます。私自身、渥美清に魂を奪われた人でありまして。この人が登場すると全て渥美清の空気になってしまいます。
真面目な劇も、渥美清一人てるだけでズッコケの喜劇に変わります。全く稀有な俳優さんだと思います。
そして、学生たちが夜な夜な半裸になり何やら叫びながら学生寮を出ていきます!
小躍りしながら!
何事を叫んでいるのかは聞き取れないのですが、リズムに乗せ節を回しています。
「デッカンショ〜!!」
聞こえた!!聞こえた言葉はデカンショ!!小林旭も歌っていたような記憶があります。
デカンショとは何なのか馬鈴薯の一種、じゃがいもの収穫の唄か何かと思いましたが、違いました!
丹波篠山市を中心に盆踊り唄として歌われる歌で、学生歌としても歌われていたようです!
デカンショの由来は学生歌であるので、「デカルト」「カント」「ショーペンハウエル」から来ている説、「出稼ぎしよう」の略説、があるようです!
劇中の学生たちは自身の思想に基づいて日々を騒ぎ立て暮らしています。そこから見るに哲学者の名前混合説のほうがピッタシ!ハマるなぁと思います。
色街の女の子を、街のチンピラこら匿い、逃がす段取りのシーン、その裏で高らかに
「デッカンショ!!」
と叫び、キャンプファイヤー(焚き火?)の周りをグルグルと行きつ踊りつしています!
色街の女の子は無事故郷に帰れますが、その裏で叫ぶ学生たちの清々しさは今は見れないものかもしれませんね。
見てくれは汚いんですよ、学生達!でも、なんだろう、この綺麗なものを見たあとの心地よさは…。
最後に、卒業の際に先生が言っていた言葉が良かったです。
与えられた自由の『FREEDOM』でなく、自らで勝ち取った自由の『LIBERTY』を君たちには体現して欲しい!!
なんとなくそんな言葉でした!!
昔のほうが、明確に自由を求め、声にしていたなぁと感じる映画でした!!
良き映画です!