わたし。みました。

最新作に疎い私が、一昔前の作品を見て、感じたままお伝えします。

「イントゥ・ジ・アビス」己のハイフンを全うせよ!!ビシィッ(指差し)!!

イントゥーーージィィィアァァビィスゥゥウ

はい。アメリカの映画でございます。ドキュメントですね。その類はと言いますと。ある事件をおこして捕まった犯人の少年二人と、被害者家族や犯人の関係者にインタビューをしていくという。オーソドックスなものです。

 

犯人の少年二人は、高級車を盗むために、車の持ち主を含め3人を殺害してしまいます。車の持ち主の女性。その息子。とその友達。その犯行は稚拙です。高級車の持ち主女性を殺害したあと、遺体を近くの湖まで運び遺棄します。その後、高級車を回収しに戻りますが、門の鍵がかかっていたため、殺害された女性の息子の帰りを待ち、共通の友人が怪我をしていると森に誘い出し、息子と一緒にいた友人を殺害し、二人の遺体は森に放置したまま車を盗みます。

 

その後、バーで、宝くじに当たり車を買った、と車を見せびらかし、そこにいた人間に試乗もさせ、実際は車を盗み持ち主を殺害した真相を、知り合いに話してしまうなど、もうめちゃくちゃです。その後、すぐ警察に逮捕されます。

 

捕まった二人の少年は、一人は長期懲役刑、もう一人は死刑となります。

 

そして、事件当時の周囲の人間にインタビューをしていきます。

 

もう、いい車を持っているだけで襲撃されてしまうアメリカ。努力の意味が霞んでしまうような気がします。どんなに頑張って、欲しい物を得れたとしても、容易く奪われる。下手すれば命ごと。何とも原始的な衝動に駆られすぎに感じますね。

 

強欲ゆえに強奪す。

 

そんなことをして、その後を平気で過ごせるのは、原始の世界までだと思います。いや、原始でも組織があれば咎められていたかもしれません。

 

少し考えればわかりそうですよね。盗んだら捕まる、人を殺したら捕まる。捕まったら拘束される。拘束されたら処罰。その間を省いて、盗んだら→処罰、への思考のプロセス。何故踏めないのか。刹那的に生きちゃうんでしょうね。

 

各所へのインタビューで、驚いたのは現・元囚人だった人の多さです。長期懲役刑のジェイソンは父、兄共に現役受刑者。父は通りの向こうの刑務所にいる、という本人の発言。通りの角のビルで働いてます、といった感覚。被害者の兄も事件当時に葬式が行われている最中にドラッグ関係で逮捕。

 

アメリカはテキサス。やはり人口が多いのでしょうか、人も多けりゃ事件も多いという、分母の多さで話が解決するものでもない気がします。要因は様々なのでしょう。文化、人との関わり方、宗教、死生観、銃社会

 

もう、アメリカは怖いなぁ…。としか思えませんでしたね。

 

作中で元刑務所長が、面白いことを言っていました。人は自分のハイフンの中で生きるだけだ。

 

??

 

なんだっけ?ハイフン?と疑問を持ちましたが、すぐに解決。墓場に刻まれる、生まれた日から死ぬまでの年月。1999‐2022の「‐」の部分を言っているわけです。

 

そりゃ確かに、その間で生きるしかないよなぁ。とやけにシンミリしてしまいました。当たり前なのですが。

 

安全な社会、それでもそこが絶対安全じゃないという不安。

 

安全確認、自分の視界の届く範囲だけは指差し呼称、安全確認ヨシっ!で行きたいと思います!